Next to Normalのオーケストラメンバー2人が参加するミュージカル「Spring Awakening」を観にKahilu Theaterへ.劇場はちょっと遠くの街にあり,約60マイル(約100キロ)の道のりを一人で運転した.一人でこんな長距離を走ったことがなかったけどやってみると結構楽しい.ただ空腹状態で走ったせいか自分で運転しているのに少し気持ち悪くなった.次は気を付けよう.
(以下ネタバレ注意)
Spring Awakeningはドイツの戯曲が元で,カトリックの学校を舞台に厳しい校則や規律に縛られた少年少女の性の目覚めをかなり直接的に描く.舞台の真ん中で歌いながら自慰したりセックスしたり,主人公の親友が拳銃自殺したり,ヒロインは主人公の子どもを身ごもるも中絶手術をさせられた上に失敗して死んだりと,Next to Normalもそうだけれどこれでもかとショッキングで悲劇的で重いシーンが詰め込まれる.アメリカのエンターテイメントと言うと,ディズニーやアメコミやフルハウス的コメディというイメージがあるせいなのか,ミュージカルのテーマがどれもこれもかなり重いのが意外(そういえば高校時代に合唱部でやった「West Side Story」もバッドエンドだったっけ).それに反して音楽はけっこうロックな感じでギャップがなんだかすごい.
Kahilu Theaterは大きめの劇場で,舞台装置や演出もかなり大がかりで豪華で楽しかった.キャストやオーケストラメンバーは本土で研鑽を積んだ人も多くてプロの仕事という感じ.終演後にオーケストラメンバーに挨拶して,ちょっと舞台裏を見せてもらった.いつかここで演奏することをこの島にいる間の目標のひとつにしよう.
帰りがけに,溶岩で赤く照らされた空が見えた.

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4th Friday Poetry Slamに久しぶりに出場.ステージの絵が新しくなっていた.ハワイを詠んだ短歌の英訳を朗読したら思いのほか好評で嬉しかったが二回戦進出ならず.短歌の英訳難しい.そもそも英訳もちゃんとできているか怪しいし,発音も怪しいのでどこまで伝わっているか謎.

茶道の稽古.きょうから小習に入った.風炉薄茶貴人点(きにんだて).薄茶器は飛来一閑の作.
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C女史宅でドヴォルザークのピアノクインテット.ドヴォルザーク,初めてさらったけれど超絶かっこいいな……ドヴォルザークと言えば新世界とユーモレスクのイメージが強くて,ピアノ協奏曲も一応CD持っているもののいまいち刺さらなかったのだけど,この曲はすごく刺さった.ただ残念なのは,今日限りのSessionでおそらくもう弾かないということ……いつかまた弾ける機会があったらいいな.

C女史宅でClassical Jam Session.コンペ以外の曲をほぼ練習していなかったのでまともに合わせられないのではと戦々恐々だったが,思ったより弾けた.ピアソラ,モーツァルト,マックスブルッフ.
Session後,C女史の息子さんA君とプロコフィエフのヴァイオリンソナタ2番をさらう(初見で).A君の大学の最終課題だそう.A君は今週末で(本土の)大学に戻ってしまうので,来年の帰省の際にきちんと合わせることを約束した.れ,練習しなくては……!
A君と,あとC女史の元生徒でもう一人近く本土に行ってしまう人がいるので,ドヴォルザークのピアノクインテットを急遽水曜合わせることになった.楽しい! 忙しい!

昨日はコンペティションの疲れからか夕食も取らずさっさと寝てしまったけれど,その分早起きして散歩がてら朝にパンケーキを食べに行った.リコッタチーズパンケーキを初めて食べた.ふわとろ感がすごいけれど「これは生焼けなのではないか」と口にするたびに不安になる.不安になるがおいしい.
普段運動しないのでここぞとばかりにひたすらアラモアナとワイキキを歩き回った.ホノルルにはドンキホーテがあり(ただしあのBGMは流れていないし特徴的なPOPもないし広くて導線が確保されているのでドンキホーテ感はほぼない),日本のお菓子がたくさん売られているので嬉々として土産に購入.
昼食にはずっと食べてみたかったシンガポールラクサ.おいしかった.毎日食べてもいいくらい好きな味.ああ,どうしてハワイ島にはシンガポール料理屋がないのだろう! 次に帰国したときはシンガポール料理屋に行くぞ.
午後からは,ハワイ大学マノア校のコンサートホールでコンペティションの入賞者コンサートおよび表彰式.5歳から高校生までの若きピアニストの卵たちと,アマチュア部門で1位になった2人の素敵な演奏を堪能した.自分の半分以下の年齢の子たちが,大人も弾くのが難しい難曲を堂々と弾いているのは圧巻のひとこと.
名残惜しさもありつつ,またお会いしましょうとコンテスタントたちと話しながら会場を後にし,空港へ.短くて濃い2日間だった.

Aloha International Piano Festival(AIPF)のためホノルルへ.AIPFの行事のひとつAloha International Piano Competition(のAmateur division)は朝の8時半開始というかなり早いスケジュールなので,朝の4時半に起きて始発の飛行機に乗り市バスで移動.早朝すぎて家で練習できなかったので(出番直前に別室で15分の練習時間は与えられている),起きてから会場までずっと,予め録音しておいた自分の演奏をひたすらイヤホンで聴いていた.
Competitionと言ってもAIPFは小規模で,発表会のような雰囲気.毎年出ている人もいて,コンテスタントの半分近くは知っている顔.そのおかげか,思ったより緊張せずに済んだ.と言ってももちろん(?)ミスだらけで,ブラームスは思い切りが足りず思いっきり音を外し,ショパンはヘ長調の第二主題で引っかかった上に最大難所嬰ハ短調の分散和音で大きく崩れてしまったことが悔やまれる.録音を後で確認したら思った以上に走っていた.今回のコンペティションでは「走らない」ことにけっこう神経質になっていたつもりだったけどまだまだ足りなかったな.

Pavane pour une infante défunte by Maurice Ravel
2 Rhapsodies Op.79 No. 1 in B minor by Johannes Brahms
Ballade No. 3 in A flat major, Op. 47 by Frédéric Chopin

全員の演奏後すぐ審査があり,20分後ほどに結果発表.今年はどうかなと思ったけれどタイで3位入賞だった.去年よりはよくなったと思ってよいのだろうか.1位(タイ)の人たちはさすがにブレのない素晴らしい演奏で,1人はまじめで誠実に,もう1人は本当に楽しそうに弾いているという印象を受けた.ああいう風に弾けることがひとつの目標だな,と感じたので,参加して本当によかった.
コンペティション後は他のコンテスタントの人たちとランチ.日本人アマチュアピアニストクラスタのあんな話やこんな話を伺う.どの世界にも偏執狂な(誉めてる)人はいる.
それにしても改めて録画を見るとブラームスとショパン走ってるな……ただラヴェルは割と思うような演奏ができたので嬉しい.

コンペ直前の最後のピアノレッスン.今回も録音.やっと止まらずに弾けるようになった.フレーズの終りで時間をとって弾くことと,コントラストを大事にすること,走らないこと,本番では自分の心で弾くこと.嬉しい言葉をたくさんいただいて,ほんの少しだけ涙が滲んだ.